サラ金地獄で一家離散。

『キャンディ キャンディ』のキャンディやアニー、『赤毛のアン』のアン、愉快なムーミン一家のムーミンパパはみんな、孤児院育ち。
両親を亡くしているからこそ、家族とは一緒に住めない、自分の家では暮らせないのだということを読書家のひょこタンは知っています。

ところが。
『常輝園』のバザーに遊びに行った時、その施設で暮らすまさみちゃんの所へ、“自分の家”で暮らしているらしい“お父さん”が遊びに来ているのを見て、ひょこタンは驚いてしまいました。
じゃあ、まさみちゃんには自分の家があって、お父さんも居るのに、
『常輝園』で一人で暮らしているっていうこと?それは、なぜ?

ひょこタンは、家に帰ってから両親にバザーのことを話し、まさみちゃんにはお父さんがいるのに、なぜ一緒に暮らしていないのかを聞いてみました。
お母さんが言うには、「まさみちゃんの家の事情についてはわからないけれど、今現在『常輝園』で暮らしている子ども達がそこにいる理由で一番多いものは、サラ金地獄による一家離散だそうよ」と教えてくれました。
もちろん、サラ金地獄という言葉は毎日のようにテレビでも聞くものなので、大体の意味はわかります。
そしてなぜ、サラ金地獄に陥ると、まさみちゃんのように子どもが一人で暮らさなければならなくなるのか、お父さんとお母さんが丁寧に説明もしてくれました。

家族がいたり、家があるのに、両親と一緒に暮らせない子どもがいるなんて。
まさみちゃんはいつも元気で、おしゃべりで、よく食べて、おませで、
ものすごく意地悪な時もあったけど、ひょこタンは気が合って好きだったので、
とても複雑な思いがして、かなりショックを受けました。