ひょこタンと社宅と子ども部屋。

ひょこタンは、今よりもっと小さい頃、お父さんが働く会社の社宅に住んでいました。
社宅と言ってもマンションやハイツのような所ではなく、
4つのいろいろな形の家に、4つのいろいろな家族が住んでいて、
みんなの共有の広い裏庭や前庭がある、それは素敵な所でした。
裏庭には甘柿が1本、渋柿が1本、イチジクが3本、バラのアーチや花壇もありました。
一日中おひさまの光があたって気持ち良く、ひょこタンは毎日毎日そこで、
社宅のお友達と愉快に遊んで暮らしていました。
ある時、お父さんが自分のお家を買って、新しい家に引越すことになりました。
ひょこタンもピカピカの自分の部屋をもらいました。
新しい家には庭はなく、お友達もいないので、部屋で本を読んだり絵を描いて過ごします。
お母さんはパートに行き始め、ひょこタンはひとり。
なんだか急に、びっくりするほど静かな毎日です。