映画「プレシャス」は良かったけど、現実は。
前々から観たかった、映画「プレシャス」を観ました。
アカデミー賞関係でいろいろと報道されていたわりに、意外と上映館が少なくてちょっとびっくり。
大阪のシネコンの、小さな小さなシアターで上映されていました。
映画評なんかでも読んでいたので、おおまかなストーリーや「ユーモラスなシーンなんかもある」
ってことは知っていたのですが。
想像以上に「・・・ふざけてる!?!?」っていうぐらいにブラックユーモアききまくりな映像満載。
このうえもなく悲惨極まりない状況にいる主人公プレシャスなのですが、
彼女の願望妄想暴走シーンとでもいうべき場面ときたら・・・思わずクスリと笑ってしまうぐらいに
オカシかった!・・・けど映画の内容が内容なだけに、素直には笑えないんだけれど。
実父による性的虐待、実母による精神的・身体的虐待、ネグレクト、妊娠出産、人種差別、
イジメ、エイズと現代の子どもをめぐる社会問題てんこもり。
重苦しいにもほどがあるテーマではあるのですが、流れる音楽も映像も暗くはなくて、
主人公は鬱にもならずリスカもせず、心療内科や精神病院にも行かず、
もちろん親殺しや社会への報復である大量殺人を企てるわけでもなく、
素敵な彼氏と恋におちることや有名なポップスターになることをひたすら夢見ていて・・・
ある意味フツーなんですよね。
異常な環境で育てられているからといって、みんながみんな異常な精神状態になるわけじゃない。
ちょっとしたキッカケで、笑えるし、泣けるし、強くたくましく生きていくことだってできるのかも
しれない。
なんていうのは映画だからかもしれないけど。
虐待に関するノンフィクションやドキュメンタリーは、目を覆いたくなるような悲惨な内容の連続と
いうものも多いので、そうじゃないところがエンターテイメントとしては良かったです!
なんといってもフリースクールの先生が、本当に天使みたいに美しくて優しくて素敵でした。
・・・しかし現実にもこんなことや、これに近いことが起こっていると思うとやりきれないですね。
自分も親だし娘がいるので・・・本当に信じられない。
人間て恐ろしいイキモノだってつくづく怖くなる。
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