老いて男、一人暮らしになると。

法事のことで、旦那の亡き母方の伯父から久しぶりに電話があって、
初めてゆっくりお喋りしました。

伯父は昨年、妻を病気で亡くしています。
若い頃から亭主関白・・・というより男尊女卑に近いような感覚の持ち主で、
気性も激しかったという伯父。
伯母も子ども達、特に娘達も家長の言うことには絶対服従!みたいな家庭生活で
結構苦労していたようです。
伯父は良い人で、心底家族を愛してはいたんですけどね、当時から。

そんな偉そうな伯父だったのですが、妻に先立たれてスゴク寂しそうでした。
「炊事も何もしたことなかったからなぁ、今でも何もできひんねん。
今になって、女の人の力ってスゴイもんやってんなぁって思ってるねん。
もうちょっとお母さん(妻)に優しいしといたら良かったなぁ、思って、
毎日線香あげておがみよるねん」って。

現在は、2階建ての借家に一人暮らしだそうです。
1週間に1回、嫁いだ娘サンが来て1週間分の洗濯をしてくれるそうですが、
それ以外は大抵一人だそうで。
夫婦で暮らしていた頃の荷物もそのままで、2階建ての広過ぎる家なのに、
荷物やモノがいっぱいで、でも片付ける気にもならなくて、
常に家中、足の踏み場もないような有様なんだそうです。
「子どもらが来たら、お父さん何してんのって怒られるんやけどなぁ、
洗濯物をたたんだり、タンスに入れたりする気にもならんのや」とのこと。
「家の中そんなんやけど、遊びに来てな。また会いたいわ」と何度も言ってくださり、
本当に人恋しそうでした。

妻に先立たれた高齢の夫がいかに危機的状況に陥りやすいか、
後を追うように亡くなることが多いかはよく耳にするところですが、
伯父の場合もホントに典型的な、そんなパターンのようで心配です。
家事を一切せずに、家庭のことをすべて任せきっていた妻が、ある日居なくなる。
残された夫は食べることにも着ることにも、住むことにすら困り、
生きる気力を失っていく。
今さらですが、男性にも女性にも、生きていくための知識、技術、
生きる力は大切です。

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