豹変した黒ベンツ氏。

自治会役員さんは道路工事の偽造許可証に大激怒、
呼びつけられた悪徳建築会社●工房の番頭格は平謝り。
作業を進められずに、マゴつく道路工事業者さんと、引越し業者さん。
黒ベンツ氏宅の引越しの荷物を敷地内に通されて、
今までの怒りを爆発させる隣人M家夫人
過日のクラクション事件のこともあり、冷ややかな視線を浴びせる近隣住民。

そんな中、ドーンと路上駐車した、テカッた黒ベンツから偉そうに降りてきた、
黒ベンツ氏の言うことにゃ。
「ボクも被害者なんですぅー」
へ?被害者って?
お金も契約通りに、期日を守ってちゃんちゃんと払っているのに、
建築工事が勝手に延び延びにされたりして本当に困っているぅ。
隣人M家に多大な迷惑をかけているなどということは、つゆ知らなかった。
知らされていなかったぁ。
他にも様々な不都合、不具合、契約不履行的なことが多発していて、実に困惑しているぅ。
などなどと、ルル言うのです。訴えるのです。

さらに、今までの居丈高な高圧的な獰猛な態度などなかったかのように
人がかわったかのように、腰低くペコペコ謝るのですって。
例の、クラクションの大音響と怒声を浴びせかけたご近所さんにも
さわやかに軽く会釈したりなんかして!
まるでハニカミ王子みた〜い。

一体彼は、ビリーミリガンなみの多重人格者なのか、
それとも的確な状況判断で、怒り狂う人々をなだめることを得意とする、
感情労働のエキスパートなのか?

いえいえ。
その時、黒ベンツ氏がスチャーッと懐から取り出したる名刺によって、
ついに彼の職業が、正体が、明らかになりましたっ。
若頭とか、鉄砲玉とか、そんなことは書いてありませんでした。  ・・・つづく・・・