震災の朝、マンションは。

大阪市内のマンションに住んでいた友人一家の話です。
高層マンションでもなく、せいぜい10階前後だったんですが。
目をさますと、自分自身がヤジロベエみたいに大きく揺れていて、
その動きと共に、タンスの引き出しがウソみたいに出たり引っ込んだりしていて、
一瞬、何がどうなってそんなことになっているのかサッパリわからなかったそうです。
そのタンスの引き出しの出たり引っ込んだりが、
スローモーションみたいにすごくゆっくり動いているように感じて、
時間も長ーく感じたんだそうです。

確かに、ちょっとした地震でも、
大阪市内の高層ビルにある会社に勤めていた頃なんかは、
ヤジロベエっぽかったように思います。
上層階に行くほど、激しくヤジロベエになるんでしょうか。

アタシが魔の旧宅で感じた大震災の揺れは、
ドーンッと下から突き上げてくるような衝撃でした。
そのあとから、グラグラグラッと。
なんかね、地鳴りがものすごかったんですよ。
尋常じゃない、不気味な音と響きと振動が遠くの方から
ジワジワ押し寄せてくる感じでした。

友人の友人には、
激しい揺れが来る前に、あまりに恐ろしい地鳴りに身の危険を感じて、
建物を飛び出して助かった人もいましたよ。