ひょこタンと仮面ライダースナック。

ひょこタン家では、“食べ物は家で食べること”と決められていました。
お小遣いをもらって、駄菓子屋さんでお菓子を買うことは許されていましたが、
買った物は家に持ち帰ってから食べることになっていました。
仮面ライダースナック』が大流行した時、全然口の肥えていないひょこタンでさえ、
へんに甘ったるいスナック菓子をおいしいとは思えなかったのですが、
だからと言って公園や外のゴミ箱に食べ物を捨てるなんて、考えもつきませんでした。
ひょこタンは、お母さんからお許しが出ると、イソイソと駄菓子屋さんに駆けつけ、
仮面ライダースナック』をひとつだけ買いました。
何のカードか見ることだけは、我慢ができずにその場で封を切っていました。
ひょこタンがどうしてもほしかったのは、『ハチおんな』。だって女同士ですから。
そしてハチおんなが出ても出なくても、この甘いスナック菓子が本日のおやつなのです。