汚宅の壁は茶色くゆらめく・・・ギャッ!

誤解のないように説明しておきますと、常日頃一人暮らしの祖母の汚宅ぶりをほったらかしているのには理由があるのです。
今までにも二回ほど、引越しなどを機に孫一同で掃除・整理整頓・ゴミ出しなどを敢行したことがあったのですが、そのたびに「勝手にモノを捨てられた」「大事なものがなくなった!」挙句に「お金を盗まれた!!」とまで。激怒されるわ濡れ衣着せられるわで、後々まで執念深く文句を言われ続けるため、孫一同で『元気で機嫌よく一人暮らしができているうちは、汚宅ライフスタイルに口出しも手出しもしないでおこう』と決めたのでした。

そして今回祖母の緊急入院を機に、賃貸文化住宅2Kの現在の祖母宅を初めて孫一同で大掃除したわけです。
事前に2度のバルサン大量噴霧を経て、完全武装の孫その他親族8人が平和な日曜日に集結!マスク、軍手に土足で侵入。元々の食料品的腐臭、ペット的異臭に激しいバルサン臭を加えた濃厚かつよどみきった悪臭の中、一行前進。
もちろん先頭は大掃除言いだしっぺのアタシです。
とその時、視界のすみに茶色く波打つ壁面がチラッと見えちゃったのです!えっ!?
2畳ほどのキッチンの片隅に置かれた白い冷蔵庫の、壁に接していない前面と横面が茶色く染まり、微妙に細かく揺れ動いているじゃありませんか!!!なにっ!?
そ、それは。お察しの通り。冷蔵庫の裏や下で生息していたが息苦しくなって這い出てきたのであろう、生き延びたサバイバー チビゴキ達。しかもおびただしい数!触角!
なんで生き残ってんねーーーん。

ふと周囲を見回すと、テーブルといわず床といわず散乱する大量のチビゴキ達死体に目を奪われて気がつかなかっただけで、結構いるいる!強靭な生命力と、おそらくは立て付けの悪さからくる機密性の低さから命拾いしたチビゴキ達生体が!

思わぬ事態と、恨みがましく揺れ動く茶色の壁、無数の触角に激しく気が動転したアタシは、とりあえず悲鳴を上げて玄関から外に転がり出てしまったよ。アタシの意気地なしっ!・・・まだつづきます・・・