『過労死は自己管理の問題』が、激励!?

労働政策審議会厚生労働相諮問機関)の分科会委員、
奥谷禮子氏の週刊誌インタビューなどでの発言だそうです。
彼女はホワイトカラーエグゼンプションの積極推進論者で、
時間規制をなくせば過労死が増えるとの反対論に、
「経営者は、過労死するまで働けなんていいません。
過労死を含めて、これは自己管理だと私は思います」と反論。
「祝日もいっさいなくすべきだ」
労働基準監督署も不要」
「労働者を甘やかしすぎ」とも発言しているそうです。
朝日新聞の取材に対しては
「倒産しても会社は社員を守ってくれない。
早くから自律的な意識を持つべきで、労働者への激励のつもりで発言した」と話したそうです。       ※朝日新聞2月8日 朝刊より

リストラされてホームレスになってしまった人、
ワーキングプアインターネットカフェ暮らしから抜け出せない人、
そうなりたくないから会社や派遣会社やパート先や上司にNO!と言えず
毎日必死に心身をすり減らしながら食べるために、
子どもを育てるために働いている人、
こういう大勢の人々の存在が目に入らないのでしょうか?

もし自分や家族や近しい人にそういう存在がいなくても、
今の時代、新聞でもテレビでも雑誌でもインターネットでも
“知る”機会はあるでしょうに。

ちなみに同じ日付の朝日新聞では、たまたま
「先進国で飛び抜けた「大国」 残業時間どう減らす」という特集が。
日本の会社員の10人に1人が、夜10時過ぎまで残業しているとのことでした。

こんな恐ろしい発言をする方が委員だなんて。
これじゃ平日どころか祝日まで、タダ働きの残業続きで家にも帰れず、
訴えていく場所もなくなり、過労死したら自己責任だ、甘えだと言われそう。

しかもこの奥谷氏、驚くべきことに人材派遣会社の社長さんだそうです!