『損して得とれ』ですわ!

「中古住宅の売値は、結局のところ買い手次第。この値段なら絶対売れるという保証はない。
たまたまこの家を買いたい、買ってもいいという人さえ見つかれば、そしてその人が世間知らずなカモならば2千万円でも売れるんです。
でも、そういう人が現れる可能性は低い。現れなければ家は売れない。売れなければ、あなた方は新しい家を買えない。
『損して得とれ』ですわ。
新規中古物件として不動産屋の広告チラシに初めて載せるんやったら、やっぱり1千万円以下で!できるだけ安くして興味持ってもらわなあかん。
『損して得とれ』ですわ」
ですって、不動産屋さんたら。

で、売れなかった時の不動産屋さんの買い取りは却下!

でもアタシ達夫婦は、頭ではバブルの崩壊をわかりつつも、数年前に2180万円で購入したばかりの住宅を1千万円以下で売る気にはなれなかったんです、さすがにその時にはまだ。
だって住宅ローンだって1千数百万円残っていたんだもん。それを完済することもできないわけじゃないですか!
まあ、不動産屋さんの言い分としては、売却代金+手持ちの貯金一切合財+足りなければ親に頼み込んででも金策して=住宅ローンを返済。
新しい家の購入費用は、頭金からすべてローン組んじゃえ!というもの。
それが『損して得とれ』理論らしいが・・・確実に損していることはわかるけど、一体どこが得?

アタシ達夫婦は結局、不動産屋さんの大反対を押し切り、奇跡を信じて、まずは1980万円などという往生際の悪い売値をつけて広告チラシに掲載してもらったのでした。
これだって払ってきたステップ返済の利子とか考えたら、十二分に損なんだけど・・・。